【経営層を考える】 第4回 評価結果とその活用方法

皆さん、こんにちは。
昨今の政治経済の環境は本当に難しくなってきていますね。
G7がカナダで開催され、世界の難局にどう対応するのか、その議論の行方を見守っていたのですが開始早々に一人抜けちゃう事態を見るにつけ、これまでの常識や方法論が通用しない時代を改めて感じます。
このブログではリーダー層の人物評価を企業の物差しに当てはめるとどうなるかを書いてきていますが、かじ取りが難しい社会状況であるがゆえに企業をけん引する人材に求められるものもより多岐にわたるようになっていく予感がします。
さて第3回では評価プロセスの特徴について書きました。最終回である第4回は提供される評価結果の概要と、その活用例についてお話しします。
本サービスのアウトプットとして提供される評価レポートでは以下のような分析結果が提供されます。
- 基礎要件、経営スキル、行動特性に関する分析
- 市場水準とのベンチマーク情報(2025/6現在、準備中)
- 上記の結果を受けた総合的な評価結果

基礎要件に関する分析
前回も記載した通り基礎要件は、人として信頼できて企業人として胸を張れる人物であるかどうかを評価する軸なので、経営層として登用する際のエントリーチケットのような性質を持ちます。
弊社では誠実であること、仕事に情熱を持っていること、やり遂げる自信を持っていることの3つを軸に評価を行い、結果をグラフ(本記事では割愛)で提示します。
経営スキルに関する分析

「概念化能力」、「対人関係能力」、「業務遂行能力」の総合評価結果は右図のようなグラフで示されます。
それぞれの能力評価点は弊社が持つ絶対的な物差しに対して点数化されます。
「概念化能力」とは抽象的な概念やビジョンに基づき戦略的に考える能力であり、組織全体の視点が求められます。
「対人関係能力」とは円滑なコミュニケーションにより人々と協力し、目指す成果へ導く能力です。
「業務遂行能力」とは業務に必要な知識やスキルであり、汎用的な能力と専門的な分野での能力の両方を含みます。
また期待されるスキル水準である標準値は、対象者の所属企業の特性、および対象者を就任させる予定のターゲットポジションの特性に応じて算出されます。したがってこれらを比較することにより、対象者が十分なスキルを有しているかを判断することができます。
この例では対象者は「対人関係能力」と「業務遂行能力」において十分に要件を満足するものの、「概念化能力」は水準を満たしていません。
「概念化能力」は上のポジションに行くほど求められる水準が高くなるので、この対象者をターゲットポジションに今つけていいかどうかは慎重に判断することが必要と思われます。

では右の例で「概念化能力」を子細に見てみましょう。
弊社の評価フレームワークでは「概念化能力」は6つの能力要素に分解されて評価されますが、本記事では一部の能力要素のみ実際の要素名でグラフを掲載しています。
対象者の期待水準が75点であることからすると、各要素はおおむね要求を満足していますが、例外的に低い評点になっているのは「能力要素C1」です。
評価レポートではこの背景などに関して詳細が記述され、そのうえで「能力要素C1」の向上に向けた育成施策のポイントを示します。これらを通して読み手が全体像を理解し、対象者のさらなる活躍を考える上での参考として活用できる情報を提供します。
行動特性に関する分析
三つ目の行動特性は、対象者がどのように行動する傾向があるかを示すため、スキルと違って良し悪しではなくどんなポジションに就くと力を発揮するのかを判断する材料になります。

先の二つの軸にこの軸を加えることで補完し合ってチームとして機能する経営陣の構成を考えることができます。
組織内には求める特性が異なる多くのポジションがあるため、それぞれのポジションに適した行動特性を有する人材を配置していくことによって組織全体として高いパフォーマンスを発揮するようにしていくことが肝要です。
図はその例ですが、このケースでは対象者は変化を求める志向性が強いことが見て取れます。
このような人物は組織変革の遂行やビジネスモデルの刷新など、これまでの枠組みを変えていくことが求められるポジションに就けることで力を発揮することが予想されます。
さて最後になりますが、本サービスの評価結果を企業の中でどのように活用するかについていくつか例を挙げてみます。
取締役への登用候補者の評価
複数名の候補者がいるケースにおいて本サービスを実施することによって、それらの候補者を同じ物差しで横並びに評価することが可能になり、指名委員会などの最終的な人選の場における多面的な検討の一助となります。
採用予定者の評価
経営層として基礎要件やスキルだけでなく、ターゲットポジションが明確に決まっている中途採用の場合、そのポジションで要求される行動特性に合う人物であるかどうかを採用前に評価することでミスマッチリスク低減を図ることができます。
組織改革における人材配置案の作成
大型の組織変更が予定されているような場合、新設されるポジションに関しては経営として期待する行動特性を明らかにした上で、本サービスの評価対象者群から適性の高い人物を選ぶことで成功の蓋然性を高められます。
次世代経営層候補者の育成指針策定
次世代経営層候補者とは経営層としてのポテンシャルはあるものの今すぐ登用するには準備不足と考えられる人物です。本サービスが提供する各候補者の育成のポイントを参考にして計画的に取り組むことで将来に向けた組織力の強化を図れます。
会社経営における経営層の重要性は論をまたないわけですが、各社では主要ポジションにどのような人物を配置するかについて妥当性を高める工夫がされていると思います。しかし一方で、例えばトップ層に関して評価軸が明確になっていなかったり、社内の暗黙の論理に沿って似た傾向の人物ばかりが選ばれたりという状況はないでしょうか? ここまで書いてきた通り、当社の経営層評価サービスはトップ層人材の評価に第三者の客観的な目線を提供します。もし御社でも前述のような悩ましい状況がおありなら、本サービスの活用を是非ご検討ください。

村田 すなお
北海道大学卒業後、デジタルテクノロジーを軸にして国内大手精密機器メーカー2社に勤務。新規拠点立ち上げのためのカナダ赴任や事業加速のためのM&A推進などの経験を経て、2014年以降は執行役員として経営全般に関わる。キャリア後半ではCIOとしてグローバルなIT推進全般を遂行、業務システム、ITインフラ、サイバーセキュリティ、AI、DXなどの戦略立案、企画、設計、運用などを指揮。
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