【経営層を考える】第1回 人選の重要性

皆さん、こんにちは。
このブログでは「経営層」に関するトピックを数回にわたって取り上げていきます。
企業で働いている皆さんにとって自社の経営層の話を直接・間接的に耳にすることはあるものの、他社の経営層となると日頃お目にかかる場面はそう多くないと思います。思い当たるとすれば、ニュース・メディアで毎日のように流れる多様な会社の経営層の言動くらいでしょうか。致命的なサービス停止、サイバー攻撃や情報漏洩の事案、各種不祥事、国家戦略レベルのビジネスなどなど発信されるメッセージは多様ですが、こうして改めて並べてみると何だか危機的な状況ばかりで嫌になっちゃいます。
毅然とした態度でかつ真摯に対応されている経営者の方々、または必ずしもそうでない方々など様々ですが、経営層は危機対応能力だけあれば良いわけではないので、私たちがメディアで目の当たりにしているのは経営層に求められる要件のほんの一部が前述のようなきっかけで顕在化した部分ということになります。
与えられたポジションの職務を遂行するのに必要な能力や経験が十分でない人を選んでしまうことは企業にとって大きなリスクになりますが、私がこれまで様々な会社の方々と接する中で見聞きした下記のような例から考えると必ずしも人選はうまく行っていないようです。
- 新規ビジネスの責任者が石橋をたたくばかりで、芽が出ない
- 事業の筋肉質化だけが実行され、売り上げが伸びない
- 社長の買っている人物が、成果ないまま長く主柱事業の責任者に留まる
- 責任者のワークスタイルに沿って管理職の長時間労働が常態化
- 責任者がWhatだけでなくHowまで細かく指示する
- 責任者がデジタル活用に消極的でBPMもデジタル活用ビジネスも進まない
この状態が放置されるとこんなことが起きる(だろうなぁ):
- 新規ビジネスが育たない
- 業績が停滞する
- 中長期事業成長が阻害される
- 管理職・社員が疲弊し、退職が増える
- 言われたことしかやらない指示待ち族が増える
- 企業競争力が低下する
また世間では企業の経営能力を見る目が厳しくなってきています。経営層に関連するトレンドを例示すると以下のようなトピックが挙げられます。
- コーポレートガバナンス・コードの進化
- 企業戦略の方向性を示し、適切なリスクテイクを支援
- 率直・活発で建設的な議論ができる独立社外取締役
- バランスの取れた人選・多様性と適正規模の両立
- 取締役、監査役のトレーニング
- 人的資本経営への社会的要請の高まり
- ISO30414|人材マネジメントに対する要求への対応
- 多様性、リーダーシップ、スキルと能力、サクセッションプラン
- DX対応への期待
- 社内業務の効率化とデジタル活用ビジネスの展開
- 全体最適化された効率と安全性の高いデジタル基盤
- ビジネスのグローバル化加速
- ステークホルダーの多様化に適応した対話力
- 地域による文化や習慣の違いへの理解と配慮
このように経営層の人選は自社の経営にとって非常に重要であり、ステークホルダーも注目している状況にあるにもかかわらず、先に見たように必ずしもうまく行っていないケースが散見されます。個々の企業の競争力を上げ、日本経済全体がより元気になっていくためにも経営層の人選の精度を上げていくことには重要な意味があると考えます。
次回は経営層の要件について掘り下げてみます。

村田 すなお
北海道大学卒業後、デジタルテクノロジーを軸にして国内大手精密機器メーカー2社に勤務。新規拠点立ち上げのためのカナダ赴任や事業加速のためのM&A推進などの経験を経て、2014年以降は執行役員として経営全般に関わる。キャリア後半ではCIOとしてグローバルなIT推進全般を遂行、業務システム、ITインフラ、サイバーセキュリティ、AI、DXなどの戦略立案、企画、設計、運用などを指揮。
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