人材紹介サービスの種類「登録型」「サーチ型」

「人材紹介サービス、たくさんあるけど、それぞれどう違うの?」このようなお悩み、ございませんか。弊社でも各企業の人事の方からよくこのようなご相談を受けます。一方で、人材紹介サービスについてわかりやすく整理してくれている情報サイトは、まだまだ多いとは言えません。
そこで、この記事では人材紹介サービスについて「わかりやすい記事」を目指し、まずは世の中の人材紹介サービスを大きく二分した上で、それぞれの特徴について紹介します。なお本稿では「わかりやすさ」を重視するため、いわゆる「例外」や「細かい点」については一旦割愛させていただきます。
※ここでは人材派遣やアウトソーシング等の業態を除いた、いわゆる「人材紹介(厚生労働省の定める有料職業紹介事業)」のみを取り上げようと思います。
さて、人材紹介サービスはその形態から「登録型」と「サーチ型」にざっくりグループ分けできます。
登録型
登録型の人材紹介とはその名の通り、予めデータベースに登録された情報をもとに人材にアプローチするサービス形態のことです。データベースとは、求人情報や求職者情報が登録/集約されたシステムのことを指しています。データベースでは、各求職者によって自ら応募された情報がリストアップされます。
以下の流れでマッチングが成立します。
- 求職者が転職サイトに自身の情報を登録(応募)する
(自身の情報:個人情報/職務経歴/スキル/希望条件等) - 登録された求職者情報の一覧から求人企業の募集要項に合う人物をエージェントが選びとる
- エージェントがプラットフォーム上で求職者にアプローチする
- エージェントが面談を通して、案件の紹介を行う
- エージェントが求職者をクライアント企業へ紹介する
- 求人企業によって求職者の選考が行われる(書類選考→面談/面接)
サーチ型
サーチ型の人材紹介とは、既存のデータベースを用いず、人材を1から調査し発掘する手法です。
以下の流れで引き合わせが行われます。
- サーチ会社がクライアント企業の求める要件を満たす人物をリサーチする
…リサーチにおいては人脈のほか、専門誌/文献/報道資料の調査等、各サーチ会社独自のノウハウが駆使されます - エージェントが候補者へ直接アプローチ(スカウト)を行う
- エージェントが面談を通して候補者(スキルセット/マインドセット)を見極めた上で、案件の紹介を行う
- エージェントが候補者をクライアント企業へ紹介する
- エージェントの推薦をもとに、求人企業によって候補者の選考が行われる(面談/面接)
※なお、この記事では、登録型でアプローチできる人材を便宜上「求職者」と定義しています。すなわち転職意志が顕在化していて自ら能動的に転職活動をしている(サイトに登録している)人材です。一方で、サーチ型で発掘されるような、潜在的に転職の可能性を有している人を「候補者」と呼んでいます。
以上のように区別できる両者には、採用手法の違いからそれぞれ下記のような特徴があります。
| 登録型 | サーチ型 | |
|---|---|---|
| 請求タイミング | 求職者入社時(成功報酬) | 案件開始時(着手金)+候補者入社時(成功報酬) |
| コスト | 低額 | 高額 |
| アプローチ対象 | 転職市場 | 潜在市場 |
| 期間 | 短期 | 中長期 |
| ポジション | ローレイヤー | ハイレイヤー |
| 年齢 | 若年層 | 中年層以上 |
| 採用規模 | 大量 | 少人数 |
| 採用成功率 | 低い | 高い |
上記表のそれぞれの項目について、下記にて具体的に見ていきます。
請求タイミング…費用が発生するタイミングが異なる
■登録型:求職者の入社時
求職者が実際に求人企業へと入社したタイミングで「紹介手数料=成功報酬」が請求されます。
■サーチ型:案件の開始時&候補者の入社時
サーチ会社が人材発掘及びアプローチを行うための活動費として、案件スタート時にまず着手金が発生します。その後、候補者の入社時にも成功報酬の請求が追加で行われます。サーチ型では基本的にリテーナー形式となるため、採用の成否にかかわらず、フィーの総額が着手金や成功報酬へと分割された形で請求されます。また、サーチ会社によっては、面接実施時や候補者の内定承諾時に中間金を請求する場合もあります。
※「リテーナー」とは、一定期間にわたって専門家のサービスを確保するために結ぶ契約形態、またはその報酬体系のことを指します。
コスト…金額帯が異なる
■登録型:低額
登録型の場合、サーチ型に比べて比較的安価な料金体系にて人材獲得を行うことが可能です。前述の成功報酬は決定者(採用された人材)の理論年収※の30~40%が相場となっています。
※理論年収=1年間の就労で支払われると想定される、賞与を含む年収の総額
■サーチ型:高額
着手金+成功報酬(+中間金)のトータルフィーが登録型のフィーの2~3倍となることも多いため、サーチ型は高額な料金体系をとっていると言えます。なお、サービスによっては着手金を請求しない代わりに、高額の成功報酬(理論年収の70%以上)のみを設定している場合もあります。
アプローチ対象…アプローチできる人材市場が異なる
■登録型:転職市場
転職の意志が顕在化している人材の市場、すなわち転職市場に属する人物にアプローチすることができます。転職市場の人材=転職を希望し、転職のためのプラットフォームに自身の情報を登録している求職者です。
■サーチ型:潜在市場
転職市場の外にある、いわゆる「潜在市場」にアクセスして、潜在的な候補者へのアプローチが可能です。登録型とは異なり、転職意志が全くないようなエース級人材にスカウトを行うことが多いです。潜在市場の人材=媒体への登録を行っておらず、転職意志が明確でない人物を指します。
登録型 =求人広告サービス、登録型人材紹介サービス :転職市場へアプローチ可能
サーチ型 =サーチ型人材紹介サービス :潜在市場にアプローチ可能
期間…採用に至るまでの平均期間が異なる
■登録型:短期
求職者情報のプールから紹介を行うため、比較的短期間で人材獲得を行うことが可能です。 要件に当てはまる人物が転職市場内に存在する場合、求職者の転職意志も明確であるため、マッチングさえ成立すればすぐに選考、採用、入社へとステップを進めることができます。
■サーチ型:中長期
人材発掘を1から行うほか、サーチ会社側で候補者の見極めを行ってからの紹介となるため、採用までに一定の期間を要します。さらに、アプローチ時点では候補者側に転職意志がないことも多いので、初回の面談から転職を決意する意志決定のタイミングまでには、一定のリードタイムが発生することには注意が必要です。
ただし、そもそも転職市場に該当者が存在しないような複雑な採用要件である場合には、ピンポイントで人材発掘を行うサーチ型の方が、短期間で適合する人材を見つけることができるでしょう。
ポジション…採用に適した人材のレイヤーが異なる
■登録型:ローレイヤー
メンバークラス~ミドルクラス~ハイクラス(一部)の獲得のいずれにも採択されていますが、基本的にはメンバークラス(ローレイヤ―)が採用のメインターゲットです。
■サーチ型:ハイレイヤー
ミドルクラス以上のマネジメント層のほか、高度なスペシャリスト(レイヤー問わず)が主な対象です。ミドルクラス以上の層はメンバークラスに比べて、転職市場に現れにくいためサーチ型を駆使する企業も多いです。同様の理由で、高度な専門性を有するスペシャリストを獲得する際にもサーチ型が利用されやすいです。
※なお、職種については登録型とサーチ型に大きな違いはなく、サービスによって得意としている範囲が変わります。
年齢…獲得しようとする人材の年齢層が異なる(ポジションの傾向に対応)
■登録型:若年層がマジョリティ
■サーチ型:中年層以上がマジョリティ
管理職以上へのアプローチが多い為、登録型よりも比較的高い年齢層が対象となる
採用規模…獲得を目指す人数が異なる
■登録型:大量採用
不特定多数とのマッチングを通して大量の採用を目指す際に登録型が用いられます。欠員募集や増員募集として求人がリリースされ、必要人員が揃うまで採用活動が継続されます。ある程度シンプルな採用要件を満たす人材について、多くのマッチングを行いながら複数名の獲得を狙うパターンが多いです。
■サーチ型:厳選された少人数の採用
サーチ型では特定少数へのスカウト活動が行われます。その企業ならではの“ピンポイントでの人材ニーズ”を充足するべく利用されるため、採用人数も数名程度と小規模です。多くの場合、特定のポジションのみに適用されるオーダーメイドの要件をもとに人材発掘を行うため、登録型のような大多数への同時のアプローチは難しいと言えます。
採用成功率…1名あたりの採用成功率の高さが異なる
■登録型:成功率は低い
実際の採用成功率は7.1%ほど※です。人手不足が深刻な現代、限られた優秀な求職者を多数の求人企業が取り合う形になるため、マッチングした求職者が選考に進んだとしても、なかなか採用成功に至らないパターンが多いです。
また、データベース上には求人企業の要求水準には満たない人材からの応募も一定数存在するため、紹介の母数自体は多いものの内定出しには至らないということもよく起こり得ます。
※厚生労働省「令和5年度職業紹介事業報告書の集計結果」より算出
■サーチ型:成功率が高い
潜在市場の人材にピンポイントでアプローチした場合、候補者の選択肢としては現社に残るorスカウト案件の企業に転職するかの2択となるので、選考に進んだ場合も採用競合が少なく、登録型に比べて採用成功率は高い傾向にあります。
その他、サーチ会社はそのクライアント企業の採用成功のためだけに、専属で人材発掘活動を行う点、ピンポイントのスカウトを行うことで、求人企業の要求水準以下の応募者を自動的に排している点等が、採用成功率を高めている要因と言えるでしょう。
さて、今回は人材紹介を「登録型」と「サーチ型」に二分し、その特徴をご紹介しました。採用手法だけでなく、報酬体系や採用成功率、アプローチする人材の性質に至るまで、様々な違いがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
次回は、2つの型のメリットとデメリットを整理し、それぞれどんな場面に活用するとよいのか解説します。ここまで読んでいただきありがとうございました!

岩本 春太
大学卒業後、新卒にてSFJに入社。以降一貫して製造業の案件を担当。東証プライム上場企業やニッチトップ企業を含むメーカーの案件を多数手掛ける。技術職のほか、営業、人事、薬事、商品企画等の幅広い職種においてリサーチを行う。2024年よりSFJ NEXTに参画。現在は、公共インフラ業界の案件に携わる。
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