IT/DX人材の採用ニーズ~ITサービス提供企業編(中編)~

前回に続きITサービス提供企業の採用ニーズを考察してみますが、中編では自社プロダクト開発企業にフォーカスしてみましょう。
②自社プロダクト開発型企業(Webサービス・SaaS・プラットフォーム・パッケージ)
この区分は、自社でITプロダクトやWebサービスを企画・開発し、提供することで顧客課題を解決する企業群です。自社サービス・プロダクト・プラットフォームを利用するユーザーからの利用料や、掲載する広告から収益を得ています。
代表例としては、Google、Microsoftのような外資系プラットフォーマーやLINE、Sansanのような日系プラットフォーマー・SaaS企業が挙げられます。
この属性の弊社顧客を企業規模で分けると下記の比率(ポジション数ベース)となりました。
大手企業(売上高1,000億円以上):11%
中堅企業(売上高100億円~1,000億円未満):40%
中小・ベンチャー企業(売上高100億円未満):49%

全体や支援型企業と比較して、顧客の比率が中堅~中小・ベンチャー企業に大きく偏っていることが伺えます。
この背景には大きく資金流入の増加とAI時代の到来という2つの理由があります。
Ⅰ.スタートアップ投資熱の高まりに伴う資金流入の増加
一般的に、ヘッドハンティングは通常の採用(採用媒体・エージェントなど)と比較し高額なフィーがかかるため、資本力のある大手~中堅企業で多く用いられます。
一方、IT領域の自社プロダクト開発型企業に限ると、VCや市場からの豊富な資金流入により、相対的に小規模の企業においても人材獲得に資金を投下できる余裕が出てきています。
※自社プロダクト開発型企業はスケーラビリティの高いビジネスモデルであり、労働集約型のビジネスモデルを持つ支援型企業よりも出資を受けやすく、資金流入の影響が強く反映される傾向にあります。
その結果、中堅~中小・ベンチャー規模でも比較的高額な採用フィー、採用対象者への報酬を用意できるようになり、これまで実現できていなかったハイレイヤー人材の採用ニーズが顕在化された形です。
Ⅱ.AI時代の到来
昨今、AIの台頭によりITプロダクトの開発効率は飛躍的に向上しています。従来若手エンジニアが担当していた単純なコーディングやテスト、デバッグ等は、ある程度AIで代替・効率化が可能になりました。
また、AIが量産するコードに誰でもアクセス可能となったことから、差別化の源泉は「何を作るか」「どう設計するか」という上流工程に移行しています。この領域はこれまでの経験、技術的理解、深いインサイトを持つ一流の人材でなければ担えません。
結果として、ITプロダクトの開発において人数で補完する必要性が低下し、複数のジュニア人材よりも、AIを最大限活用し1人で企画・設計・開発・クオリティ面をリードできる一騎当千人材の価値が高まっています。中でも発展途上の中堅~中小・ベンチャー規模の企業においてはその傾向は顕著と言えるでしょう。
もちろん、このような一騎当千の人材が転職市場に溢れている訳もなく、弊社へのヘッドハンティング依頼に繋がっているという形です。
後編では、ITサービス提供企業に共通するIT / DX人材の採用トレンドについて考察してみます。
お楽しみに!

向井 綾汰
2015年、SFJに入社し、製造、IT、インフラ、通信等、幅広い業界のリサーチ、コンサルティングに携わる。2019年よりITユニットのヘッドとして、役員・CxO・PM/PdM等、幅広いレイヤーのIT/DX人材獲得案件を主導。2021年にSFJ NEXT設立を主導しゼネラルマネージャーとして事業を牽引。2024年より代表取締役社長就任。
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