【採用の現在地と未来~2025年のトレンドと実践的アプローチ~】第2回 採用コンサルとRPOの違いと最適活用法

はじめに
こんにちは!前回は、2025年の採用市場の現状と最新トレンド、そして採用コンサルティングの必要性についてお伝えしました。今回は、採用支援サービスの主要な2つの形態である「採用コンサルティング」と「RPO(採用代行)」の違いと、それぞれを最適に活用するための方法について詳しく解説します。
2025年5月現在、労働人口の減少により人材確保が一層難しくなる中、企業はより戦略的な採用活動を求められています。このような環境下で、専門的知識やノウハウを活用した採用支援サービスへの注目が高まっていますが、単純な「丸投げ」は危険であることを認識する必要があります。
採用支援サービスの2つの形態
採用コンサルティングとは
企業の採用課題を解決するために戦略立案から具体的な実行支援まで、幅広いサポートを提供するサービスです。単なる戦略提案にとどまらず、実際の採用活動のサポートや課題解決のためのアドバイスも行います。
採用コンサルティングの主な特徴
- 採用戦略の立案と最適化
- 企業の経営戦略と連動した中長期的な人材獲得計画の策定
- 採用ブランディングの強化支援
- データ分析に基づく採用プロセスの改善提案
- 市場動向や最新事例の提供
- 人事部の採用力強化と自走化支援
採用コンサルティングの最大の価値は、企業の個別状況や目標に合わせてカスタマイズされたソリューションを提供することにあります。経営戦略を踏まえた採用戦略の立案から、具体的な実行支援まで、企業のニーズに応じた幅広いサポートが特徴です。
RPO(採用代行)とは
RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、企業の採用活動の一部または全てを外部企業に委託するサービスです。具体的には、求人広告の掲載、候補者の選考、面接調整など、採用に関する実務的な業務を代行します。
RPO(採用代行)の主な特徴
- 採用業務の外部委託による社内リソースの最適化
- 採用のプロによる専門的なリクルーティング活動
- 採用コストの変動費化
- 採用活動の進捗管理と可視化
- 大量採用や季節採用など変動する採用ニーズへの柔軟な対応
RPOの大きな利点は、企業が採用戦略の立案に集中できる点です。実務的な業務を専門家に委託することで、効率的に人材を確保することができます。しかし、RPOに全てを丸投げすることは、様々なリスクを伴うことに注意が必要です。
2つのサービスの比較と選択基準
| 項目 | 採用コンサルティング | RPO(採用代行) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 採用戦略の立案と最適化、人事部の採用力強化 | 採用業務の外部委託、社内リソースの最適化 |
| 支援範囲 | 採用全般(戦略~実行) | 主に採用実務 |
| 期間 | 中長期的 | 短期~中期 |
| 主な効果 | 採用の質向上、長期的な組織強化、人事部の自走化 | 工数削減、採用業務の変動費化 |
| 適した企業 | ・採用戦略の見直しが必要な企業 ・人事部の採用力を高めたい企業 | ・一時的な採用ボリュームの増大が見込まれる企業 ・採用業務を外部化したい企業 |
RPO(採用代行)と採用コンサルティングの明確な違い
RPO(採用代行)と採用コンサルティングは、どちらも企業の採用活動をサポートするサービスですが、提供内容に大きな違いがあります。
採用コンサルティングは、企業の採用戦略に対するアドバイスや改善提案を行うサービスです。コンサルタントは、依頼元の採用における課題を分析して、依頼元に合う採用方法やプロセス改善を提案します。また、人事部の採用力強化を支援し、将来的な自走化を目指す点も特徴です。
一方、RPOは企業の採用プロセス全体または一部を外部に委託し、実際の業務を代行するサービスです。求人広告の作成や候補者の選定、面接の調整など採用に必要なプロセスを実行します。
つまり、コンサルティングは戦略立案と人事部の能力向上に重点を置くのに対し、RPOは採用業務の実務代行に焦点を当てている点が大きな違いです。この違いを理解せずに丸投げしてしまうと、期待と現実のギャップが生じる原因となります。
「丸投げ」が招く問題点
外部サービスへの丸投げによる失敗事例
外部サービスに採用業務を丸投げすることで生じる典型的な失敗事例を紹介します。
ケース1: 採用ノウハウの社内蓄積がない
ある企業では、採用業務の効率化を図るためにRPOを導入しましたが、プロセスを含めて代行業者に丸投げしていたため、社内に新たなノウハウが蓄積することもなく失敗に終わりました。採用活動が終了した後も、次回の採用に活かせる知見やスキルが社内に残らず、結果的に外部依存度が高まってしまいました。
ケース2: 認識の齟齬による採用ミスマッチ
採用代行(RPO)を活用して最も多い失敗例は「認識齟齬」です。事前に任せたい業務をしっかり定義せずに依頼すると、採用したい人物像や業務の進行の仕方などに認識の齟齬が生じ、思った成果が得られない可能性があります。
採用ノウハウが社内に蓄積されない問題
外部サービスに採用業務を丸投げすることの最大のデメリットの一つは、採用ノウハウが社内に蓄積されないことです。特にコア業務を含む採用業務をすべて外部に丸投げしてしまうケースでは、専門家の知見やアドバイスを充分に吸収できなくなる可能性もあります。
採用担当者の育成を考えている場合、スキルアップの機会を失うことにもつながります。長期的な視点で見ると、自社の採用力が向上せず、外部依存度が高まる悪循環に陥る恐れがあります。
効果的な採用支援サービス活用のポイント
事前準備の重要性
採用支援サービスの活用をスムーズに進めるためには、社内での事前準備をしっかりと行うことが重要です。具体的には以下の手順を踏むことをおすすめします。
- 課題の特定:自社が抱える採用に関する問題点の洗い出し・明確化
- 採用計画の策定:企業の将来像を踏まえ、求める人材像、採用時期、採用数に関する計画を策定
- 業務範囲の定義:「内製する業務」と「外部に依頼する業務」の範囲を明確にする
- 予算と見積もりの確認:提案されたプランと予算を比較し、コストパフォーマンスを鑑みた上で最終決定を下す
特に重要なのは、業務範囲の明確化です。採用活動は広範囲に及ぶため、外部パートナーへの指示が曖昧だと「このような指示はされていない」「このようなサービスは契約に含まれていない」などといわれてしまい、トラブルに発展する場合があります。
プロジェクトマネジメントの視点を取り入れる
採用活動は立派なプロジェクトであると捉え、プロジェクトマネジメントの視点を取り入れることが効果的です。採用責任者はプロジェクトマネージャー、そして採用担当者や外部パートナーはプロジェクトメンバーと捉えて採用活動に臨む必要があります。
ポイントは以下の4つです。
- 成果のマネジメント:経営陣や現場との積極的な対話を通して期待値調整を行い、採用戦略に合意を得る
- 時間のマネジメント:採用業務の分解と可視化を行い、何をいつまでにやるべきかを明確にする
- 資源のマネジメント:採用プロジェクトとしての資源計画、要員調達や役割分担、採用予算などを検討する
- 品質のマネジメント:採用プロジェクトメンバー全員が採用戦略を同じレベルで理解し、価値観や判断基準を揃える
業務範囲の明確化とコミュニケーション体制の構築
採用支援サービスに業務を依頼する際は、包括的な依頼シートを作成して業務範囲を明確にし、効果的なコミュニケーション体制を構築することが重要です。
業務範囲の明確化
弊社では、採用プロジェクトを成功に導くための詳細な依頼シートテンプレートを開発しています。このシートには、プロジェクト基本情報、背景・目的、求める人材像、業務範囲詳細、スケジュール、KPI、ナレッジ移転計画などが含まれています。
コミュニケーション体制の構築
外部サービスを活用する際は、自社と外部パートナーとのコミュニケーションが不足していると、自社の望まない形で採用活動が行われる恐れがあります。定期的な進捗確認ミーティング、報告フォーマットの統一、緊急時の連絡体制など、効果的なコミュニケーション計画を事前に策定しておくことが重要です。
【まとめ】企業の成長を支える最適な採用支援サービスの選択
採用コンサルティングとRPOは、それぞれに特徴と強みを持つサービスですが、単純な「丸投げ」は様々なリスクを伴います。企業の課題や目標に応じて、適切なサービスを選択し、自社も主体的に関わることが重要です。
特に効果的なアプローチとしては、採用コンサルティングを活用してプロジェクトマネジメントの視点を取り入れ、必要に応じてRPOとの連携を図ることが挙げられます。また、業務範囲を明確にし、定期的なコミュニケーションを図ることで、認識の齟齬を防ぎ、効果的な協働体制を構築することが可能になります。
2025年の採用市場では、IT/デジタルスキルを持つ人材の需要増加、柔軟な雇用形態やD&Iの重視といったトレンドが続いています。こうした変化に対応するためには、専門的な知見とノウハウを持つ外部パートナーの活用が有効ですが、丸投げではなく、協働の姿勢で取り組むことが成功の鍵となります。
弊社では、採用コンサルティングの専門家が、貴社の採用課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。完全版の依頼シートテンプレートのご提供や、採用プロジェクトの設計・運用支援など、お気軽にご相談ください。
次回は、近年注目を集めている「プロ人事」とは何か、その役割と活用方法について詳しくお話しします。採用に課題を感じている企業の皆様、ぜひご期待ください。

竹田 雅美
化粧品会社でPR、商品企画を経験し2007年にSFJに入社。入社後は、流通小売業界や製造業を中心に、マスコミ、ITといった多様な業界でスカウト実績を保有。2021年、SFJ NEXTに立ち上げメンバーとして参画。現在はIT/DX案件を中心に担当。安易なキャリアチェンジを持ちかける紹介会社のスタイルに疑問を感じマーケティングリサーチに基づいた「三方好し」のコンサルティングを心がけている。
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